肌の調子ひとつで一日が決まる朝に気づいた、私の生活が崩れない理由

美肌女性
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可愛くなるためじゃなかったと気づいた夜、スキンケアが心を支えていた話

美肌女性

今朝は、カーテンの隙間から入ってくる光がやけに白くて、部屋の空気もいつもより冷たかった気がしました。暖房のタイマーが切れたあと特有の、静かに冷えていく感じ。ベッドの中でぬくもりを惜しみながらスマホを触って、指先だけが現実に先に出ていくみたいで、起き上がる前からもう少し疲れている、と勝手に思いました。

キッチンに行って、ケトルを置いて、水を入れて、スイッチを押す。いつもと同じ動作なのに、今朝はその「いつも」が妙に重たかった。たぶん、昨日の夜にやり残したものが頭のどこかに残っていて、それが目に見えない小さな砂粒みたいに、朝の動作全部に混ざっていたんだと思います。

それで、コーヒーを淹れる前に郵便受けを見に行ったんです。理由は特になくて、ただ、なんとなく。「なんとなく」ってたいてい、心が何かを回収したがってるときに出てくる言葉ですよね。

郵便受けには、薄い封筒が一枚。いつもの、あの色。見た瞬間に、体のどこかが先に理解して、呼吸だけがちょっと浅くなる感じがしました。公共料金の「お知らせ」。払ってないわけじゃない、はず。たぶん口座引き落とし、のはず。そう思いながら、封を切る手がなぜかゆっくりになって、私は自分に対してちょっと警戒していました。

中身は、引き落としができなかった旨の通知でした。金額は大きくないのに、その紙の質感だけで、生活が「うまく回ってない」って言われた気がして、嫌な汗がじわっと出る。朝の白い光が、急に遠慮なく部屋に入ってきたみたいで、私はいきなり正気に戻されました。

そして、その瞬間、誰にも言わない本音が浮かびました。

「私って、こういうので終わるタイプかも。」

終わる、って大げさなのに、でもその大げさが、心の奥ではぜんぜん冗談じゃなかった。仕事も、人間関係も、将来のことも、頑張りたい気持ちはあるのに、生活の足元がこんなふうにぬるっと滑るだけで、全部が一緒に崩れる気がする。たった一枚の通知が、私の“ちゃんとしてなさ”を証明する紙みたいで、目をそらしたくなったんです。

「自分が信用できない朝」がいちばんきつい

急いでスマホの銀行アプリを開いて、残高を確認して、引き落とし設定を見直して、原因を探す。やっていることはただの確認作業なのに、心の中はずっと「なんでこうなるの?」って責める声でいっぱいでした。

引き落としができなかった理由は、単純でした。口座を変えたのに、変更手続きをしていなかった。忙しい日に「あとでやろう」と思ったまま、カレンダーにも入れず、メモにも残さず、そのまま消えていった“あとで”。生活って、こういう“あとで”でできてるんだな、と苦笑いしながら、私は笑えませんでした。

たぶん、こういうのって経験したことある人、多いと思うんです。返信しようと思ってたLINEが気づいたら一週間経ってたとか、保険の書類を引き出しに入れたまま忘れてたとか、冷蔵庫の奥の野菜が存在ごと化石になってたとか。やる気がないわけじゃないのに、人生の端っこの小さいタスクが、ある日まとめて「放置されてました」って顔を出してくるやつ。

そしてそのとき、私たちはだいたい、必要以上に落ち込む。落ち込む理由が金額でも手間でもなくて、“自分を管理できてない”って感覚だから。あれって、地味に効きますよね。

私はその通知をテーブルに置いたまま、コーヒーの香りもよくわからない顔で立ち尽くして、しばらく動けませんでした。何も起きてないのに、心の中だけが忙しい。焦っているのに手が止まる。自分のそういうところが嫌で、嫌なのに、それでも自分のことを抱えて生きるしかなくて、朝からちょっと、泣きそうになりました。

「ちゃんとする」じゃなくて「崩れない仕組み」が欲しかった

そのあと、私はいったん深呼吸して、支払い方法の変更手続きをしました。画面の案内通りに入力して、確認して、完了の表示を見る。たったそれだけのことに、ちょっとだけ安堵が来たのが悔しかったです。こんなことで安心するなら、最初からやっておけばいいのにって、自分で自分にツッコミたくなる。

でも同時に、ふと思ったんです。

私が欲しいのは、「いつも完璧にちゃんとできる私」じゃない。たぶん、私が欲しいのは「多少ぐちゃっとしても、生活が崩れない仕組み」なんだと思う。

“ちゃんとしなきゃ”って言葉って、どこかでずっと、人格の話になりがちですよね。ちゃんとできる人=良い人、できない人=だめ、みたいな雑な判定が勝手に発動する。でも、実際は人格の問題というより、仕組みと余白の問題だったりする。余白がないとき、人は「忘れる」。忘れて、後から自分を責めて、さらに余白がなくなる。そのループの方が、よっぽど怖い。

だから私は、今日ひとつだけ、小さな行動を変えることにしました。手続きが終わったあと、スマホのホーム画面に「生活タスク」っていうフォルダを作って、そこに“後で”になりがちなアプリをまとめて入れました。支払い、各種変更、郵便、契約。目立たないけど、忘れると地味に心が削れるやつだけを集める。

それから、月に一回だけ「生活点検」っていう予定を入れた。大げさに自分を更生させるんじゃなくて、ただ、崩れないように支えるための点検。自分を管理するというより、自分を救出するための点検です。

「なんでもない一日」を守るって、意外と難しい

今日の出来事は、ものすごく小さい。通知一枚で、手続きひとつ。誰かに話したら「あるある」で終わるかもしれないし、笑って流せる類の話だと思う。

でも私は、こういう“小ささ”にその日の心が持っていかれることがある、と改めて思いました。仕事で何か失敗したわけじゃない、人に嫌われたわけでもない、将来が急に決まったわけでもない。それでも、生活の足元がちょっと滑るだけで、気持ちって簡単に不安定になる。

たぶん、私たちは「大事件」よりも、「なんでもない一日がちゃんと続くこと」を必死で守ってる。洗濯できる、ちゃんと食べられる、財布が破綻してない、連絡が滞ってない、部屋が最低限片付いてる。そういう地味な安定の上にしか、安心って乗らないんですよね。

そしてそれが、うまくいかない日は、自分の価値まで一緒に揺れてくる。
「わかる…」って言いながら、同じことで一人で落ち込んだこと、きっとある。

通知を片付けたあと、私は窓を少し開けました。冷たい空気が入ってきて、部屋の匂いが変わる。深呼吸すると、さっきまでの焦りが少しだけ薄まる。変わったのは現実じゃなくて、自分の呼吸だけ。たぶん、こういう小さな切り替えが、今日みたいな日をやり過ごす方法なんだと思います。

私はまだ「ちゃんとしてる大人」ではないし、たぶんこれからも、ちょいちょい抜ける。忘れるし、後回しにするし、突然不安になる。それはきっと治らない。でも、その“治らない”前提で、崩れないように支える仕組みだけは、少しずつ増やしていける。

今日の私は、通知一枚で心がざわついた。
でも、それでも生活は続くし、続けるために手を動かした。

ねえ、あなたの生活にも、今日みたいに「小さいのに効く」出来事ってありませんでしたか。今、それはどんな形で机の上に置かれていますか。

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